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Channel: 海底家族
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続き(11)

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第五話
[真生と神苗の留学の話]

真樹子は二人の夕食は何がお好みか尋ねてみました。
ジムは出来れば寿司が良いと言う。ロバートも私も日本食が好きなので我がままでしょうが寿司をお願いいたします。
わかりました。マグロだけは店からとりますが、あとは私の家で用意をするのでよいでしょうか。
あたりも暗くなって来た頃、部屋の明かりを全部消して足元の四角いつぼに明かりをつけて、海水が25センチほど溜まっている所にアジの好きなシラスナマボシを置いてやり、横の蓋を持ち上げて、外海と繋がるようにしてやると、一気にアジの群れがハウスの中に入り込んで、エサをついばむ姿を見て、ジムとロバートさんは面白い仕掛けだと大喜びしていました。
 真樹子が蓋をはなすと、外海と隔離されたアジは行くところがありません。
これが今夜の寿司のネタの一部になります。
真樹子はそれをすくい取って台所に行き、寿司のネタにとりかかりました。他にかんぴょう巻きときゅうり巻き、卵巻きを作りました。
ちょうどその頃、寿司屋からマグロと追加したあなごが届いてみんなで賑やかに夕食をとりました。

前から思っていたのですが、何度と無く真生君と話してみて、とてつもないIQの持ち主ではないかと思っていたので、ロバートと相談をして真生君のIQが思いどうりであれば、竜一郎さん、真樹子さんに許しをもらってアメリカ留学を薦めに来たのです。
すると、神苗が「私も行かせてください」と言うのです。
竜一郎も真生と神苗のIQは私よりも高いことは知っていましたが、アメリカ留学までは考えていませんでした。
何しろ、子供ゆえ、ホームスティなど考えると日本で努力させようと思っていました。
ジムはすかさず、ホームスティ先などは私のボストンの家でもらくらく受け入れられるので心配はないし、何しろアメリカでは飛び級があって、真生と神苗ちゃんくらい能力があれば、2年もすると2~3科目の大学院は十分に卒業できると思います。
竜一郎も真樹子も「ジムさんが引き受けて下さるなら私達は寂しくなるけれども、お任せしたいと思います。」
「真生と神苗の意見はどうだい?」二人は「それはもう、喜んで行かせてもらいますよ!」
それでは日本の諺にあるように「善は急げ」ということがあるそうですから、明日にでも学校へ行って訳をはなし、留学することを了承してもらいましょう!
あまり、とんとん拍子に進んでいますが、よろしくおねがいします。
ということになり、二人はアメリカに留学することになりました。

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